不思議コラム (1~10)
1.被災地の幽霊
東日本大震災の被災地では、多くの人が幽霊を目撃しているようです。(以下、「msn産経ニュース」より)
他にも、被災地の現場で活動する医師が、幽霊を見た人が大勢いたことを報告しているそうです。(YouTube動画「〔仏教〕現代仏教塾 Ⅱ Vol.5 仏教は霊魂を認めるか」より)
また、幽霊を見るのは被災者だけではないようです。週刊ポストセブンは、復興に携わる工事関係者の間にも幽霊騒動が起こっていることを伝えています。(「被災地で幽霊騒動 ゼネコン社員「彼らは冗談で言っていない」」より)
それでは、なぜこの世界には心霊現象が存在するのでしょうか? それは、世界の構造と関係があるようです。
以前、「日本の霊性-9.神界の仕組み」でご紹介した『霊界通信 小桜姫物語』という本によると、最初に神界・霊界があって、次に幽界が創られ、最後にこの世界(物質界)が創られたそうです。そして、自然界の現象や人間の活動はすべて神界によって管理されているそうです。
また、「真理の探究-12.祈りの力」でご紹介した『死後の世界』という本によると、物質界は幽界の一部であり、幽界に存在するものは生物であれ非生物であれ、必ず幽体(アストラル体)を持っているそうです。この幽体は、変幻自在で、瞬間的に別の場所に移動することも可能だそうです。
一方、霊界は、物質も空間も存在しないし、我々が想像するような時間も存在しない世界で、霊界では、「思想それ自体が形態を成して各自の目に映ずる」のだそうです。なお、死んだ直後は誰しも幽体を持っているのですが、いずれ幽体は崩壊して、最後は全員霊界へ行くことになるそうです。
これらの話を総合すると、幽体は、霊魂が肉体を持つための手段であり、幽体もある種の物質なのですが、この世界の物質と比較すると、「軽い」あるいは「精妙な」物質のようです。それに対してこの宇宙は、広大無辺ともいえる幽界の中に、時間の流れが均一で、瞬間移動ができないような、比較的「重い」あるいは「粗い」物質の世界として創られたようです。
したがって、この世界の現象には、すべて霊魂や幽体が関係しており、実は日常のすべてが心霊現象なのです。生物が活き活きと活動するのも、中にある幽体のおかげであり、幽体が肉体から完全に離れてしまえば、肉体は死んで冷たくなってしまうしかないのです。
世の中には、心霊現象を頭から否定する人もいますが、それは、子どもの頃から唯物論的な思想によって洗脳されているからであって、無理もないことです。もし、テレビや新聞が、この機会に霊界や幽界について毎日詳しく解説してくれたなら、唯物論的な洗脳も解けて、心霊現象が起こっている現実を多くの人が直視できるようになるのは間違いないでしょう。
今日では、心霊現象は「怪談」や「ホラー映画」といった娯楽として扱われることが多く、その本質がなおざりにされていることは非常に残念なことです。本当は、殺人や自殺、交通事故、病気などにも心霊現象が深く関わっており、その真相を知ることによって、多くの人が人生の問題を解決できるようになるのではないかと私は思っています。 (2013年4月28日)
2.日本兵の幽霊
太平洋戦争が終わって70年近く経ちましたが、未だに日本兵の幽霊を見たという人が絶えないようです。特に、沖縄、サイパン、フィリピンなどの激戦地での目撃例が多いようです。
例えば、2007年7月5日正午前に、フィリピンのトゥバという町で、公立高校の女子生徒15名が日本兵と思われる幽霊を見てパニックを起こし、2名が入院するという事件がありました。
日本の報道機関がこの事件を取材に行ったところ、ミサの最中に再度パニックが起こり、20名以上の女子生徒が倒れたそうです。そして、皆一様に「誰かが私をどこかに連れて行こうとした。」と語っていたそうです。
また、一人の女子生徒はもっと具体的に、「ひどいめまいがして椅子に寄りかかっていると、男が出てきて私を睨みつけ、ここから出ていけと言い続けていた。その後、血が滴り落ちて床一面に広がった。」と語ったそうです。
なお、この地方は日本軍との関わりが深く、多くの日本兵が亡くなった場所だそうです。また、この高校の敷地の地下には、日本軍が掘ったとみられるトンネルがあったそうです。さらに、当時は、学校の近くに新しい校舎を建設中だったそうです。
このような現象は、どのように理解したらよいのでしょうか?
以前、「真理の探究-12.祈りの力」でご紹介した『死後の世界』という本によると、事故や戦争などで突然死んだ人は、自分が死んだことが理解できないため、この世にとどまって、生前やっていたことを死後もやり続けるのだそうです。
このような、死後も生前の生活を続ける霊は、悪意はないのですが、自分の死を悟るまではその生活をやめないため、生きている人間に恐怖を与えることが多いようです。
ひょっとすると、今回出現した日本兵の幽霊も、自分たちの陣地を守り続けていて、新校舎がその陣地の近くに建設されようとしたため、陣地を守ろうとして現われたのかもしれません。
この動画では、これ以外にも、以前からフィリピンで日本兵の幽霊が目撃されていて、遺骨を回収したところ幽霊が出なくなった話を伝えています。この場合は、幽霊は自分の死を自覚していて、自分の遺骨がある場所を知らせるために出現したのかもしれません。 (2013年5月1日)
3.バスの中の幽霊
幽霊を見て具合が悪くなる人は結構多いようですが、救急車で病院に運ばれるほど症状が悪化することは少ないようです。したがって、前回ご紹介したような集団パニックは、非常に珍しいケースだと思われます。しかし、日本でも、幽霊を見て集団パニックを起こした事件がいくつかあるようです。
例えば、2007年5月26日12時20分ごろ、大阪府堺市立三国丘中学校の2年生が、京都府宇治市槙島町のヤクルト京都工場を見学に訪れた際に、移動中のバスの中で幽霊を見て、男女11名が過呼吸の症状を訴えて病院に搬送されるという事件がありました。(スポーツ報知より)
なお、この動画によると、ヤクルト京都工場を見学したグループのうち病院に運ばれたのは13名で、そのうち2名は重い症状だったとされています。
この事件では、生徒たちが具体的にどんな幽霊を見たのかは明らかにされていませんが、中学生にとってバス旅行というのはとても楽しい行事のはずで、それがこんな騒動になるというのは、よっぽど怖い思いをしたのでしょう。ひょっとすると、バスの中という閉鎖された空間が恐怖を増幅させたのかもしれません。
ところで、幽霊は深夜に出現するというイメージがありますが、前回や今回の例のように昼間から幽霊が出現することも普通にあるようです。実際、私の知人にも白昼幽霊を目撃した人がいますし、そもそも幽界には昼だとか夜だとかいった概念がないそうなので、結局、時間帯によらず出るときは出るようです。
また、幽霊を目撃した知人の話では、幽霊は昼間だからといってうっすらと見えるわけではなく、生きた人間のようにくっきりと明瞭に見えたそうです。おそらく、この事件の目撃者も、幽霊の姿をはっきりと見たのではないでしょうか。
なお、自分は幽霊を見たことがないから、こんな話は信じられないという方がおられるかもしれませんが、本当にそうでしょうか? 幽霊が恐ろしい姿をして突然現われれば誰でもそれと気がつきますが、多くの場合、幽霊というのは普通の人と変わらない姿で道端に立っていたりするそうです。幽霊を見たことがないというのは、実は単に気がついていないだけなのかもしれません。 (2013年5月3日)
4.心霊映像
ここからは、怖い映像が苦手な方はご遠慮願います。
幽霊を目撃する場合、目撃した本人は肉眼で見ているように感じても、実際には霊視していると考えられます。つまり、幽体が幽体を認識しているか、あるいは、霊魂が霊魂を認識している状態にあるようです。
その証拠に、「2.日本兵の幽霊」のケースでは、その場にいた人たちの一部しか幽霊を目撃していません。もし、幽霊が物質化して見えたのであれば、一部の人にしか見えないということはありえないでしょう。また、視力の悪い人がメガネなしで幽霊を見たという話もよく聞きますが、これも霊視しているという説を支持するものです。
もしそうだとすると、幽霊は、物質としてそこに存在しているわけではないので、基本的に写真やビデオには映らないと考えられます。したがって、世の中に出回っている恐怖映像の大部分は作り物だと考えて間違いないでしょう。少なくとも、目撃した幽霊の姿がそのまま映像に記録されることはなさそうです。
もっとも、霊界からのメッセージとして、そこに存在しなかったものが写真やビデオに映り込むことはあるようです。その場合は、物理的な実体に光が反射して映ったのではなく、念写されたと考えるのが正しいようです。似たような現象で、人間の身体の一部が消失した映像も、念写の一種と考えられます。
また、幽霊が空気中の物質を集めて実体化することもあるようで、その場合は、白くぼんやりとした姿や黒っぽい影として映像に記録されることが多いようです。例えば、アメリカのCNNは、高校の監視カメラに不思議な影が映った事件をニュースとして伝えています。
こちらも、やはりCNNのニュースですが、白い霧のようなものが移動する様子が監視カメラに映ったそうです。
◆Haunted
Gym? CNN News Ghost
Footage
他にも、監視カメラに不思議な影が映ったというニュースがあります。スペイン語の得意な方はどうぞ。
◆Fantasma
Por Las Calles De Bogota
(Colombia)
次は、ニュースではありませんが、やはり不思議な影をとらえた映像です。この動画は、特別怖いということもなく、恐怖映像を作るプロだったら絶対にこんな映像は作らないだろうと思われるので、本物であることを期待してご紹介します。
小高い丘の展望台のような場所に、数人の若者がドライブで訪れたようです。やがて、その中の一人が口笛を吹きながらベンチに向かって歩いていきますが、そこには黒い影のようなものが座っているように見えます。
彼らが何を言っているのかまったく理解できませんが、どうやら、若者たちには、この黒い影が若くて美しい女性に見えているようで、ナンパしている様子です。しかし、突然黒い影が消え、若者たちは叫び声を上げて逃げ出します。
もし、この動画が本物だとすると、彼らが見た映像と、ビデオに記録された映像が異なるという、非常に興味深い現象が起こっていることになります。いったい彼らが何を見たのか、とても気になりますね。
最後は、もっと怖い映像が見たいという方のために、フェイク映像をご紹介しましょう。これらは、テレビ(TBSの「スパモク 世界の恐怖映像2011 超コワい絶叫動画40連発」、および「スパモク 世界の怖い夜 ~夏休み最後の絶叫SP~」)で紹介された恐怖映像で、作り物ではありますが、私が特に感心した作品です。
◆A CURVA (NEW FOOTAGE))
これは途中から車に乗り込んでくるヒッチハイクの美女が印象的ですが、実は彼女が幽霊だったというお話(実話)で、2003年7月12日に2名が死亡した交通事故を、David Rebord という監督が映像化した短編映画だそうです。
◆Elevator Ghost, Singapore
これは監視カメラの映像なので、一見本物のように感じますが、実はシンガポールの人材紹介会社が仕事中毒を警告するために作った映像だそうです。詳しくは、「ウドー電楽事務所 エレベーターの幽霊」で検索してみてください。
◆mvi_212
これは途中で画面が2分割されるのですぐに作り物だと分かりますが、それでも怖い作品です。YouTubeを見ると、Written and Directed by Brandon Rogers と書かれており、左の人物が脚本家兼監督兼主演のようです。
これらを見る限り、怖い映像であればあるほど作り物の可能性が高くなるようです。 (2013年5月5日)
5.幽霊が出るホテル
幽霊を自分の目で見るまでは幽霊が存在することを信じないという方のために、素晴らしい情報をお知らせしましょう。実は、営業中のホテルでも、幽霊が頻繁に出現する場所があるそうです。
日本では、幽霊を死ぬほど怖がる客が多いせいか、幽霊が出ることを隠す傾向があり、一般にはあまり知られていませんが、旅行業界の関係者の間では、「あのホテルの何号室は出る」といった話が公然の秘密として語られているそうです。(例えば、大阪駅近くの某ホテルの524号室)
その点、アメリカ人はあまり幽霊を恐れないようで、幽霊が出るアメリカのホテルは、それがたとえ営業中であっても実名で明らかにされています。例えば、「Haunted
Places To
Go」というホームページには、刑務所、病院、城などの廃墟系の心霊スポットを押しのけて、まず最初に営業中のホテルが多数紹介されています。
また、「Haunted
America
Tours」というホームページには、「幽霊が出るホテル トップ10」と題して、以下の10軒のホテルや旅館が紹介されていますが、どれも一度は泊まってみたいと思うような立派な宿泊施設ばかりです。
1.ホテル・プロビンシャル(ルイジアナ州ニューオーリンズ) www.hotelprovincial.com
2.ホテル・デル・コロナド(カリフォルニア州サンディエゴ) www.hoteldel.com
3.スタンレー・ホテル(コロラド州エステスパーク) www.stanleyhotel.com
4.ル・パビヨン・ホテル(ルイジアナ州ニューオーリンズ) lepavillon.com ◆注意:音が出ます◆
5.ポートランド・ヒースマン・ホテル(オレゴン州ポートランド) portland.heathmanhotel.com
6.カロライナ・イン(ノースカロライナ州チャペルヒル) www.carolinainn.com
7.サガモア・ホテル(ニューヨーク州ボルトンランディング) www.thesagamore.com
8.クレセント・ホテル(アーカンソー州ユリーカスプリングス) www.crescent-hotel.com
9.レットロウ・プラザ・ホテル(ウィスコンシン州フォンデュラク) www.retlawhotel.com
10.クイーン・メアリー・ホテル(カリフォルニア州ロサンゼルス) www.queenmary.com
アメリカらしいのは、当のホテルも幽霊が出ることを隠さないことで、これは日本人が大いに見習うべき立派な態度だと思います。例えば、第二位にランクされたホテル・デル・コロナドは、自身のホームページ内で、このホテルに出現する幽霊の由来や様々な怪奇現象を紹介しています。(参考:英語のプレス・リリース)
それによると、このホテルでは、1892年にケイト・モーガンという若くて美しい女性が客室で自殺したそうです。以来、その女性の幽霊が、自殺した客室だけでなく、ホテルの建物や敷地内で目撃されるようになったのだそうです。この幽霊は比較的無害だそうですが、それでも、売店のガラス製品が飛んだり絵が落ちたりしないように苦労しているそうです。
世の中には、わざわざ心霊スポットに行きたがる人もいるようですが、深夜に心霊スポットを探検するのは、霊的にも物理的にも非常に危険で、死んだり行方不明になったりした人もいます。しかし、営業中のホテルなら安全性は高いと思われるので、どうしても幽霊を見たい人は、こういったホテルを選んで宿泊してみてはいかがでしょうか。
なお、無性に心霊スポットに行きたくなる人は、すでに行く前から悪い霊に操られている可能性があります。そういう人は、基本的に神仏の守護が弱くなっているので、現場で何も起こらなくても、その後の運命が暗転する場合があるようです。もし心当たりのある方がおられましたら、ご自分の生活態度を今一度見直してみてはいかがでしょうか? (2013年5月13日)
6.幽霊撃退法
もし、宿泊したホテルに幽霊が出現したら、いったいどうしたらよいのでしょうか? 子どもなら恐怖でパニックに陥っても仕方がありませんが、いい大人が泣き叫んだり失神したりするのはちょっと恥ずかしいものです。そこで、ひょっとしたら効果があるかもしれない幽霊撃退法をご紹介しましょう。
(1)叱る
YouTubeで面白い動画(といっても音声だけですが)を見つけたので、ご紹介しましょう。それは、「おぎやはぎのメガネびいき」というラジオ番組で放送された怪談(小木の怖い話)です。
それによると、タレントの小木さんがある日自宅で寝ていると、深夜、スリッパを高い所から落とすような音や、誰かが階段をスリッパで昇ったり降りたりするような足音が階下から聞こえてきたそうです。そこで、小木さんは、その足音が階段の中ほどに達したと思われる頃に、突然寝室のドアを開け、「うるさい! 今何時だと思ってんだ!」と怒鳴ったところ、シーンと静かになり、それ以降、その音はしなくなったそうです。
この話はネタかもしれませんが、似たような話は他でも見聞きしたことがあります。以前、「真理の探究-12.祈りの力」でご紹介した『死後の世界』という本によると、霊界では精神力の強い者が勝つそうですから、自分がこの部屋の主であるという強い信念をもって幽霊を叱りつければ、幽霊は退散するのかもしれませんね。
また、幽霊が不気味な姿で出現した場合でも、「まともな姿で出直してこい!」と一喝すれば、幽霊も反省して退散してくれるかもしれません。精神力の強さに自信のある方は、ぜひ試してみてください。
(2)お願いする
「添乗員MoMoの怖い話」というサイトには、観光業界の裏話が多数紹介されているのですが、それによると、観光バスの乗務員には、幽霊の出る部屋があてがわれることがよくあるそうです。あるドライバーが、そういった部屋に案内されたところ、案の定、深夜に目が覚めて金縛りにあい、誰かが近づいてくる足音が聞こえてきたそうです。
しかし、その人が、「寝不足だと事故を起こすから、寝かせてくれないか?」と心の中で幽霊にお願いしたところ、幽霊はあっさり帰ってくれたそうです。(戦慄の投稿:第一夜第六章第52話「畳をする音」より) 幽霊も、人格を持った人間ですから、お願いすれば分かってくれるということでしょうか?
また、記憶が定かではないのですが、霊能者として有名な宜保愛子さんも、「あとであなたのためにお線香を上げますから、どうぞお帰り下さい。」とお願いすれば、幽霊は帰ってくれると語っていたように思います。精神力の強さに自信のない方は、こちらを試してみてはいかがでしょうか。
(3)お経を上げる
霊能者なら、出てきた霊を成仏させることも可能かもしれませんが、そんなことは一般人にはとても無理です。以前、「真理の探究-13.守護強化と願望成就」でご紹介した伊予田英照さんは、多くの怨霊を浄化したそうですが、因縁を解除するには最低百日間の護摩焚きが必要だそうで、霊能者でも浄霊は簡単ではないようです。
しかし、一般人でも一時的に霊を鎮めることは可能なようです。どうするかというと、慰霊の気持ちを込めてお経を上げるのです。お経には真理が書かれているので、どうやらそれが霊に通じるようです。隣の部屋がうるさいのでホテルに苦情を言ったところ、実は隣は誰もいない開かずの間で、従業員が来てお経を上げたらすっかり静かになったということも実際にあるそうです。(「MoMoのツアコンFile 部屋を代えて!」より)
ただし、ブルブル震えながら意味の分からないお経を唱えても、幽霊に馬鹿にされる可能性がありますのでご注意ください。また、「南無阿弥陀仏」は念仏、「南無妙法蓮華経」は題目で、いずれもお経ではないので、これらをいくら唱えても効果は期待できないと思われます。
やはり、どうせ唱えるのなら、古来より霊験あらたかとされている般若心経のようなお経を唱えることをお薦めします。霊感体質だという自覚がある方は、あらかじめお経を暗記しておくとよいでしょう。なお、般若心経の意味については、「真理の探究-1.般若心経」に簡単な説明がありますので、よかったら参考にしてください。
(4)神仏を信仰する
幽霊対策として最も効果があるのは、やはり神仏の守護を受けることでしょう。日頃から神仏を信仰し、その教えを実践していれば、お守りを持つ必要さえないかもしれません。神仏に守られているという自信があれば、たとえ幽霊が出現しても、パニックに陥ることはないでしょう。
逆に、幽霊を見せていただくのも神仏のお働きと考えれば、むしろ有難いことです。せっかくの機会なので、幽霊を撃退しようなどと考えずに、相手に神仏の救いの力が届くように念じながら、じっくりと観察してみてはいかがでしょうか。 (2013年6月11日)
7.人魚と河童(かっぱ)
最近は、ビデオカメラの普及によって、世界各地で不思議な映像が報告されていますが、私が最近特に興味深く感じたのは、グリーンランド沖900メートルの深海で科学者が撮影したとされるYouTubeの映像です。
この動画には、怪しい生き物が、何しに来たんだと言わんばかりに潜水艇の窓を叩いて去っていく様子が捉えられており、手の水かきから判断して、日本人だったら河童を連想する人も多いと思いますが、欧米人には人魚か宇宙人のように見えるようです。
この映像の真偽について少し調べてみたのですが、登場人物と思われる
Dr. Torsten Schmidt
なる人物が実在するという確証は得られませんでした。また、ABCニュースは人魚について否定的な報道をしています。(参考:YouTube動画「Are
Mermaids Real- Mermaids 'Caught on Camera' in Animal Planet 'Documentary'
」)
ただし、この報道を批判する意見もあるようです。また、ヨーロッパには、古くから人魚の目撃談が各地に残っているそうなので、仮にこの映像が作り物だったとしても、人魚の存在そのものを否定することはできないと思われます。
ヨーロッパの人魚に対して、日本には河童の目撃談が全国各地に残っています。『動物界霊異誌』(岡田建文:著、郷土研究社:1927年刊)という本によると、江戸時代には、河童の群れが目撃されることもよくあったそうですが、明治以降、河童の目撃談は激減したそうです。ひょっとしたら、文明開化によって環境破壊が進み、河童が生きてゆけなくなったのかもしれませんね。
左の図は、鍋島摂津守の『筠庭雜録』に収録されている河童の図を写したもので、原図は、寛永(1624~1644年)の頃に、豊後(現在の大分県)の日田で捕えられた河童を写生したものだそうです。(『動物界霊異誌』より) 手足の指が4本だったとは意外ですね。
【河童の特徴】
◆身長は大きくても5~6歳の子どもぐらいで、せいぜい1メートル程度。
◆体重は約45キロという記録があり、見た目よりも重い。
◆頭に皿があり、皿には蓋がある。
◆背中に甲羅があり、手足を縮めると亀のように甲羅に収まる。
◆陸上でも水中でも呼吸でき、淡水にも海水にも棲むことができる。
◆手足の関節は、裏返しにも前にも自由に曲がる。
◆キュウリと干し柿が好物。
◆身体は粘液で覆われ、非常に生臭い。
◆天敵は猿。河童から牛馬を守るため、猿を飼う地方もあった。
◆小柄だが、非常に力が強く、大人の人間と相撲を取ることを好む。
よく似た生き物に、沖縄のキジムナーがいますが、こちらは、太平洋戦争を境にめっきり姿を見せなくなったそうです。やはり、自然破壊が影響しているのでしょうか? 人類は物質文明によって豊かさや便利さを手に入れましたが、実は大切なものを失っているのかもしれませんね。 (2013年6月14日)
【記事の訂正】
前回の図について、<鍋島摂津守の『筠庭雜録』に収録されている河童の図を写したもの> と書きましたが、正しくは、
鍋島摂津守方にある原本から転載して『筠庭雜録』に収録したもの
でしたので、ここに訂正させていただきます。
また、今回の図は、『続燕石十種 第二』(国書刊行会刊:1909年刊)という本に紹介されている、『筠庭雜録』収録の河童の図です。
江戸時代末期に書かれた『筠庭雜録』にもまったく同じ図が掲載されていますが、『続燕石十種 第二』の図のほうがきれいだったので、こちらを使いました。
これらを見比べると、構図は似ていますが、細部がかなり異なるので、前回の図は偽物なのかもしれません。
あるいは、鍋島摂津守方にある原本を江戸時代初期に複写した人物がいて、それが別の人に複写されるたびに細部が伝言ゲームのように変化したということも考えられます。
そして、『動物界霊異誌』が出版された昭和2年頃には、前回の図も、有名な『筠庭雜録』に掲載されたものとして流通していたのかもしれません。
いずれにしても、もし今も原本が存在しているのなら、一度原本を見てみたいものですね。
なお、『江戸時代のさまざま』(三田村鳶魚:著、博文館:1929年刊)という本によると、『筠庭雜録』の著者の喜多村信節は、「筠庭」と名乗っていて、「筠庭」は「いんてい」と読むそうです。(旧仮名遣いでは「ゐんてい」)
また、『詳解漢和大字典』(服部宇之吉・小柳司気太:共著、富山房:1943年刊)という本によると、「筠」は竹のことだそうです。(2020年11月19日)
8.最強の霊媒師
欧米では、19世紀の後半に能力の高い霊媒師が出現し、それがきっかけとなって心霊現象が科学的に研究されるようになったそうです。そのあたりのことが、『近代心霊学』(平田元吉:著、日本心霊学会:1925年刊)という本に書かれているのでご紹介しましょう。
なお、霊媒師とは、霊と自由に交信できる人のことで、場合によっては、霊が霊媒師の肉体に憑依して直接しゃべることもあります。また、霊媒師が、霊の力を借りて不思議な物理現象を引き起こすこともあり、この場合は特に物理霊媒とよばれます。
近代において一般の人々が心霊現象に興味を持つきっかけとなったのは、1848年にアメリカのニューヨーク州で起こったフォックス姉妹の事件だそうです。フォックス姉妹(長女は当時10歳)は、新たに引越した自宅(これは以前から怪音が聞こえる物件だったそうです)で、霊と音で交信できることに気がつき、これがきっかけで霊媒としての才能を開花させたそうです。
やがて彼女たちは、訪ねてきた人の亡くなった肉親や友人を呼び出して交信することができるようになります。また、机などの重い物が動き出すこともあったそうです。この事件はたちまち世間で大評判となり、1849年にはロチェスター市で調査委員会が設けられ、数日間詳しく研究されましたが、詐欺の証拠は見つからなかったそうです。
これをきっかけに、交霊会の大ブームがアメリカ中に起こり、それがヨーロッパに飛び火して、1882年にはイギリスに心霊現象研究協会(The
Society for Psychical
Research)が設立され、科学者たちが心霊現象を真面目に研究するようになったのだそうです。
ただし、このブームに便乗して、多くのインチキ霊媒師が横行したそうです。また、インターネットで検索してみると、フォックス姉妹の一人が、自分たちの行為が詐欺であったことを告白するという事件もあったようです。
そんな中、近代最強の霊媒師と言われる、ダニエル・ダングラス・ホーム(Daniel
Dunglas
Home)が現われます。彼は、1833年にスコットランドのエジンバラで生まれ、幼い頃に養子に出されてアメリカに渡り、20歳の頃には霊媒師としてアメリカで有名になっていたそうです。
彼は、1855年にイギリスに渡り、その後17年間、イギリスやヨーロッパで霊媒師として活動しますが、報酬を要求せず、極めて愛嬌があって快活な性格だったため、多くの人に愛されたそうです。しかし、1872年に健康を損ねて引退し、1886年に53歳で亡くなりました。
彼が最強の霊媒師とよばれた理由は、その桁外れの物理現象にあります。多くの霊媒師は、通常暗い部屋で、せいぜい机を浮かせる程度のことしかできなかったようですが、彼は明るい照明の下で、空中高く浮揚したり、身長を30cm以上伸ばしたり、燃えている炭火を素手でつかむといったことができたそうです。
これに興味を示したのが、クルックス管で有名な科学者のウィリアム・クルックス卿です。彼は、様々な実験装置を作ってダニエルの超能力を多年にわたって詳しく調べ、ダニエルが物体の重量を変化させたことや、金網で囲われて片手でしかさわれないアコーディオンを演奏したこと、空中に浮揚したことなどを記録しました。このクルックス卿の研究結果は、「Experimental
Investigation of a New
Force」という本にまとめられているそうです。
また、ダニエルが詐欺的な行為と無縁だったことも、彼が最強の霊媒師とよばれた大きな理由でしょう。彼は、引退するまでに数多くの公演や実験を行なったそうですが、このクルックス卿を含めて、誰からも詐欺的な行為があったと指摘されたことはなかったそうです。
しかし、クルックス卿以外の科学者は、ダニエルを研究することを拒絶し、クルックス卿が研究結果を学会に発表することさえ拒んだそうです。やはり、いつの時代にも、自分が理解できないものを受け入れることができない人は存在するようです。
ダニエルが引退してしばらくは、彼に匹敵する有能な霊媒師はいなかったのですが、その間に心霊現象を本格的に研究する科学者たちが徐々に増え、前述のように1882年には心霊現象研究協会が設立され、多くの科学者や文化人が会員に名を連ねました。
そして、1892年には、エウサピア・パラディーノ(Eusapia
Palladino、1854年~1918年)というイタリアの女性霊媒師を多くの科学者が研究するようになります。彼女は、単に物を動かしたりするだけでなく、ダニエルのように空中に浮揚したり身長を伸ばしたりすることもできたそうです。
エウサピアを研究したのは、ヨーロッパ各国の大学教授クラスの学者たちで、その中には、犯罪人類学の創始者として有名な精神科医のチェーザレ・ロンブローゾや、天文学者のジョヴァンニ・スキアパレッリもいました。また、哲学者として有名なベルグソンや、ラジウムの発見で有名なキュリー夫妻が実験に同席したこともあったそうです。
面白いことに、彼女はしっかり監視していないと、すぐに詐欺的な行為に及んだそうです。このため、イギリスやアメリカで行なわれた実験では、トリックが見破られて詐欺師の烙印を押されてしまったそうです。しかし、厳重な監視下においても不思議な現象が観察されたため、ヨーロッパの学者たちはエウサピアを本物だと信じていたそうです。
エウサピアは、多くの科学者の研究対象になったという意味で、ダニエルを超える霊媒師だったわけですが、詐欺的な行為が多かったこともあって、その評価はあまり高くなく、「最強の霊媒師」の称号はダニエル・ダングラス・ホームに譲らざるを得なかったようです。
これは私の想像ですが、心霊現象を起こすことは、霊媒師にとって想像以上に負担が大きいのかもしれません。そのため、彼女は可能な限り手を抜こうとしたのではないでしょうか。逆に考えると、ダニエルが短命だったのは、彼が真面目にやりすぎたためかもしれませんね。 (2013年7月18日)
9.不死身の男
映画やアニメには、どんな苦痛にも耐え、致命傷を負ってもすぐに快復するヒーローがよく登場しますが、現実の世界にも、こういった不死身の男がいるようです。
例えば、『三国志』には、毒矢を射られた関羽が、毒が染みた腕の骨を医者に削らせながら碁を打つ場面が出てきます。現代の常識からすると、麻酔も消毒もなしで手術をすること自体あり得ませんし、生きたまま骨を削られるなんて、考えただけでもぞっとしますね。
関羽は中国の人ですが、実は日本にも、彼に匹敵するような豪傑がいたようです。それは、『実説江戸侠客伝』(林和:著、日本公論社:1935年刊)という本に書かれている、腕の喜三郎(本名:野出喜三郎)という人物です。
彼は、寛永18年(1641年)生まれで、すでに20代の頃には五人力の侠客として有名だったそうですが、あるとき、神田柳原の柳稲荷の近くで吉屋組のものと喧嘩になり、敵数人をその場に切り倒します。しかしその際、自身も左手の二の腕を切られ、腕がぶら下がった状態になってしまったため、彼は帰宅すると、人に命じてぶらついていた腕をのこぎりで挽き落とさせたのだそうです。
腕の喜三郎は、74歳まで生きたそうですから、傷口が化膿することもなかったのでしょう。痛みに耐える精神力といい、出血やバイ菌に負けない生命力といい、まさに不死身の男ですね。
しかし、関羽や腕の喜三郎も、ミリン・ダヨのこの映像を見たら、びっくり仰天したかもしれません。
2010年10月1日にテレビ東京で放送された「世界7大ミステリー 人体の奇跡スペシャル2」によると、ミリン・ダヨは、1912年にオランダのロッテルダムで生まれたそうです。彼は、あるとき、仕事のストレスなどから発作的に長い釘を腹に刺して自殺を図りますが、痛みがなく、傷口から血が出ることもなかったため、自分の特異体質に気がついたそうです。
彼は、1945年に首都のアムステルダムに引越しますが、第二次世界大戦直後の混乱期だったため仕事がなく、生きるために仕方なく、身体に剣を突き刺す芸を酒場などで見せていたそうです。そして、それを見た興行師が彼と契約し、ミリン・ダヨの不死身の肉体が広く世間に知られるようになったそうです。
興行の内容は、上半身裸のミリン・ダヨの腹部や胸部に、助手の男性が細長い剣を突き刺すというものです。普通の人間なら、内臓を剣で刺し貫かれたら、激痛に耐えかねて泣き叫んだり失神したりするでしょうが、彼はいたって平気で、傷口から出血することもなかったようです。
なお、これは手品ではないかと思われる方もおられるでしょうが、この番組の中で、ミリン・ダヨの映像を見たマジシャンのDr.レオンは、「結論から言うと、いわゆるマジックではないと思います。やれと言われても僕はお断りします。」と語っていました。
前代未聞の不死身の肉体を誇ったミリン・ダヨですが、彼はある日、釘をたくさん飲み込み、その釘を麻酔を掛けずに医者に取り出してもらうよう啓示を受けます。しかし、彼は、「手術の際に麻酔を使うな」と医者に言うのを忘れたため、1948年5月26日にあっけなく死んでしまったそうです。
どうやら、この奇跡は、麻酔で神経が麻痺してしまうとうまく機能しないようです。おそらく、彼の肉体は、傷つく寸前に変形して剣の通り道を形成していたのでしょう。その詳しい仕組みは、今となっては知る由もありませんが、ひょっとすると、人体には元々こういう機能が備わっているのかもしれませんね。
ただし、肉体を剣で突き刺すという行為は非常に危険ですから、良い子の皆さんは決してマネをしないようにしてください。 (2013年8月17日)
10.人体自然発火
先月は、赤ちゃんが自然発火したというニュースが飛び込んできました。(以下、「テレ朝news」より)
これは、オカルト好きの方はよくご存じだと思いますが、人体自然発火(Spontaneous Human
Combustion)として古くから知られている謎の現象で、自然発火するはずのない人体が自然に発火し、放っておくと燃え尽きてしまうというものです。(参考:「YouTube動画
Unexplained: Spontaneous Human Combustion」)
実際、犠牲者は焼死体で発見されることが多いのですが、通常の火災に巻き込まれて焼死したケースとは明らかに異なり、遺体の胴体部分が最もよく燃えた状態で発見されるため、人体そのものが自然発火したと考えられているのです。
調べてみると、最近では、アイルランドの男性が人体自然発火により2010年12月22日に死亡したとBBCが報じています。(参考:「BBC
News 'First Irish case' of death by spontaneous
combustion」)
それによると、この男性は、マイケル·ファハーティ氏(76歳)で、ゴールウェイの自宅の居間で、頭を暖炉に向けた状態で仰向けに横たわって死んでいるのが発見されましたが、遺体はひどく焼けているものの、その他に焼けているのは付近の天井と床だけだったそうです。
そして、検視の結果、暖炉の火はファハーティ氏の死因とは無関係とされ、燃焼促進剤の痕跡も発見されなかったため、アイルランドの検視官シアラン・マクローリン博士によって、このケースは人体自然発火と判定されたのだそうです。
なお、人体自然発火の原因については、タバコなどの火が衣類に引火した後、「ロウソク化現象」(人体の脂肪がロウソクのように燃える現象)が起こったのだと主張する人もいますが、私としては、生身の人間がロウソクのように燃える様子を想像できないので、これは説得力に欠けるように思われます。特に、今回の赤ちゃんのケースでは火元が見当たらないことから、「ロウソク化現象」説は成立しないでしょう。
この赤ちゃんは、やけどの跡は痛々しいものの、幸いなことに死亡には至っていません。報道から察するに、この赤ちゃんは自然発火体質のようなので、このまま無事に成長してくれたら、ひょっとすると人体自然発火の原因解明につながるような新しい発見があるかもしれませんね。 (2013年9月14日)